ひざまし見え太郎

たちどころによくなる

手近な糸

今、目に見えてる世界に、いくつもの補助線が引かれていって、驚くほど容易になる。それで私は安心する。何かむなしい。ごく簡単な形態をもって説明すればわたしは、安心のためだけに貪っているんだろう。それも多分正しく、しかしそれが正しく立式されたことで変わることもない。何度か、抽象の上下を滑らせて語ると、そのような式があることがよりはっきりわかる。それだけ。そしていくつかの式と、その外側に引きずり出されたひとつの新奇性を、喜んで見つめる。多分それだけだよ。でも、まだ楽しいと思っていられるから、まだ続けるんだと思う。

賢くなくてよかった。賢かったらよかった。思ってたより予定調和な世界に、今やっと気付き始めた。